がん治療費.com
がん治療費.comは、部位・進行度に合わせて治療費がどのくらい掛かるのかを簡単に計算できるサイトです。
トップページ
注目される治療方法
放射線治療
免疫細胞療法
血管内治療
生体肝移植
子宮頸がんワクチン
治療効果の見方
部位別がんの治療費
抗がん剤の治療費
5大がんの治療費
その他の治療費
がんの検査にかかる費用
緩和医療(緩和ケア)の治療費
治療費の自己負担額
治療の相談と決定(セカンドオピニオン)
リンパ浮腫の予防と治療
このサイトの使い方
お役立ちリンク集
運営者について
民間保険の活用と相談
Best 啓発サイトアワード2010年 がんがわかるWEB大賞 より良く生きるための情報部門 -大賞-
治療費計算のほか、がん治療に関する情報を集めました。
リンパ浮腫の予防と治療

がん治療の後、手や足にむくみが現れることがあります。手術に伴いリンパ節をとった場合や放射線治療でリンパ節やリンパ管が傷ついた場合に、リンパ液の流れが悪くなり、手や足にリンパ液がたまったまま「むくみ」や「腫れ」が起こります。これを「リンパ浮腫」といいます。例えば、乳がんや子宮がん、前立腺がん等では治療に伴いリンパ節を取り除いたり、放射線治療を行うことが多く、長期間の観察では、乳がん・子宮がんの手術後50%前後リンパ浮腫が発症するといわれ、どのような治療法を選ぶかによっても発症率に差があるようです。日本で10〜12万人の患者さんがいるといわれています。

リンパ浮腫は徐々に進行する慢性の病気です。放置すると感染症を含むさまざまな合併症を起こします。また、進行すると患者さんの外見や体形の見た目も悪くなり、外出を避けるようになることから精神面でも悪影響を及ぼします。リンパ浮腫はがんの治療を終えてすぐに発症することもありますし、3年経過して、あるいは10年以上経過して発症することもあります。したがって、がんの治療に伴いリンパ節を取り除いたり、放射線治療を行った場合には、その直後からリンパ浮腫の発症にそなえて次のようなケアを開始することが必要になります。リンパ浮腫は完全に治すことはできませんが、適切にケアをすることで管理し、悪化を防ぐことができます。

(リンパ浮腫の重症度分類)

リンパ浮腫の重症度は通常次の4つに分類されます。

リンパ浮腫の重症度分類

0期 まだ浮腫は見られず、精密な検査を行うと異常が確認される。
T期 手や足にやや腫れが生じ、浮腫が感じられる。浮腫の部分を押すとくぼみが生じ、浮腫のある手足を高く上げると一時的に浮腫が改善する。浮腫のある手足の周辺の長さの増大率は20%以下。
U期 はっきりと手や足に腫れが生じ大きくなる。浮腫の部分は繊維化し硬くなり、押してもくぼみができない。浮腫のある手足を上げても浮腫は改善しない。浮腫のある手足の周辺の増大率は20〜50%。
V期 手足の皮膚が象のよう(象皮病)になる。浮腫の部分を押してもくぼみはできない。浮腫のある手足の周辺の増大率は40%以上。
"The diagnosis and treatment of peripheral lymphedema. Consensus document of the International Society of Lympholoby 2003"

(予防・治療)

リンパ浮腫の治療法は、複合的理学療法(Complex decongestive physical therapy:CDP,Combined phsical therapy:CPT)、または複合的疎泄理学療法(Decongestive lymphatictherapy:DLP)等の名称で呼ばれ、次の4つの基本的な治療に分かれます。
  1. スキンケア
    リンパ浮腫の現れた手足ではリンパ液の流れが悪くなり感染や炎症を起こしやすくなります。そのため、皮膚を清潔に保つ、ローションなどを使用する、日焼けをしないといったいわゆるスキンケアに加え、重いバッグをひじや肩にかけない、長時間正座をしないといったリンパ液の流れを悪くしない配慮も必要になります。
  2. 医療用リンパドレナージ(Manual Lymph Drainage:MLD)
    基本はリンパ浮腫のある手や足を心臓より高くあげることですが、さらに手足から体の方へ向けてマッサージを行うことで、手足にたまっていたリンパ液を胴体に戻します。まず、MLDを行ってよいかどうか、皮膚の状態や他の病気の有無を診察したうえで実施すること、必ずMLDのトレーニングを受けた専門家による治療を受けることが重要です。肩こりや腰痛の際に行うマッサージとは全く別物です。いきなり自己流でやると症状を悪化させることがあります。最初は必ず専門家による治療を受け、その後自分でも行える「セルフマッサージ」の指導を受けることをお勧めします。
  3. 圧迫療法
    圧迫療法は、MLD(医療用リンパドレナージ)でむくみや腫れの改善した状態を保つことを目的とします。弾性包帯とよばれる、しめつける力の強い包帯を浮腫のある手や足に巻いたり、しめつける力の強いストッキング、スリーブ(腕や足の一部をカバーする着衣)、グローブ等の弾性着衣でリンパ液の流れを改善します。こうした弾性包帯や着衣を起きて活動している間はずっとつけたままで治療します。
  4. 圧迫した上での運動
    弾性包帯や弾性着衣をつけたうえで手や足を動かしたり、ストレッチ、あるいは水中歩行などの軽い運動をすることでリンパ液の流れを改善します。ウォーキングやジョギング等一般の軽い運動とは異なります。自己流でやらず、必ず、専門家のアドバイスを受けて行ってください。
以上の治療中に痛みを生じた場合、それが解消されるまですべての治療を中止することが必要です。

その他、空気式圧迫療法、浮腫部分の外科手術による切除、体内の水分を減らす利尿剤の服用、漢方薬の服用等があります。
米国リンパ浮腫ネットワーク(National Lymphedema Network)では、空気式圧迫療法や薬・サプリメントの服用はそれ単独では用いるべきではなく、必ず上記4つの基本的な治療と併せて検討するよう推奨しています。また、外科手術については、浮腫部分を切除してもリンパ浮腫が治るわけではないのでリスクとメリットを十分考慮のうえ実施すべきとしています。

なお、最近は顕微鏡を使ってリンパ管と静脈をつなぎ、リンパ液を静脈に流すことで浮腫を改善する治療(「顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術」といいます)が拡がり始めています。既に全国の大学病院の形成外科を中心に多くの施設でこの治療を実施しています。但し、この治療法もすべての患者さんに効果があるわけではありません。手術後も上記4つの基本治療を続ける必要がありますのでご注意ください。
最後に、先に挙げた米国リンパ浮腫ネットワークでは、リンパ浮腫の患者さんは飛行機を使って移動する場合、必ず圧迫療法で使用する包帯や着衣を身に着けるよう推奨しています。

(リンパ浮腫の治療施設)

くり返しになりますが、リンパ浮腫の予防は、症状が出た後からではなく、手術の直後から考えておく必要があります。ある病院では、リンパ浮腫が発生するリスクを伴う手術を受ける方について、手術前からリンパ浮腫が発生する可能性のある手や足の周囲の長さを予め測定しておき、手術後の浮腫予防と早期治療を実践しているとのことです。
リンパ浮腫についてご検討される際に、全国各地のがん拠点病院・大学病院の他、下表のクリニック・病院リストをご参照ください。

リンパ浮腫の治療が受けられるクリニック・病院* (平成20年8月20日現在)

医療機関名 所在地
のだレディースクリニック 北海道・札幌市
リズミック婦人科クリニック 北海道・札幌市
手稲渓仁会病院 北海道・札幌市
十和田市立中央病院 青森県・十和田市
中通総合病院 秋田県・秋田市
しおじまクリニック 群馬県・伊勢崎市
川上診療所 043-238-2166 千葉県・千葉市
堀メディカルクリニック 東京都・荒川区
ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック 東京都・中央区
ベテル代官山診療所 東京都・渋谷区
広田内科クリニック 東京都・世田谷区
両国あしのクリニック 東京都墨田区
東京共済病院 東京都・目黒区
複十字病院 東京都・清瀬市
長野市民病院 長野県・長野市
金沢循環器病院 石川県・金沢市
ココカラ・ウィメンズ クリニック 愛知県・名古屋市
東海病院 愛知県・名古屋市
京都ブレストセンター沢井診療所 京都府・京都市
松尾循環器科クリニック 06-6445-0882 大阪府・大阪市
みつもとレディースクリニック 大阪府・大阪市
田中完児乳腺クリニック 大阪府・大阪市
大阪けいさつ病院 大阪府・大阪市
うえにし乳腺消化器クリニック 大阪府・泉大津市
国保すさみ病院 和歌山県・西牟婁郡
わたなべクリニック 兵庫県・尼崎市
だいとう循環器クリニック 兵庫県・姫路市
野の花診療所 鳥取県・鳥取市
広島ブレストセンター 香川乳腺クリニック 広島県・広島市
たかの橋中央病院 広島県・広島市
下関さくらクリニック 山口県・下関市
リムズ徳島クリニック 徳島県・徳島市
四国中央病院 愛媛県・四国中央市
真泉会第一病院 愛媛県・今治市
まつもとデイクリニック 高知県・高知市
みつもとクリニック 福岡県・北九州市
九州中央病院 福岡県・福岡市
大分岡病院 大分県・大分市
松本外科医院 096-352-0338 熊本県・熊本市
三州病院 宮崎県・都城市
相良病院 鹿児島県・鹿児島市
*注)運営者が独自に調査したものであり、すべてのクリニック・病院を網羅しているわけではありません。

(治療費)

リンパ浮腫の治療については、従来、全く公的保険が使えませんでしたが、平成20年4月1日より下記のとおり弾性包帯や弾性着衣について公的保険が使えるようになりました。公的保険の仕組みにおいて「療養費」として分類されますので、一旦患者さんにて購入費を立て替える必要があります。その領収書を添えて後日保険者に還付請求を行うと、公的保険から購入費の70%程度が返ってきます。弾性包帯や着衣は衛生上交換が必要ですので、1回で同じものを2組まで購入できます。購入後6ヶ月を経過すると再度保険を使って購入できます。なお、弾性材料を使用した圧迫療法を医療機関で行う場合、その治療には公的保険が使えませんのでご注意ください。
弾性ストッキング (上限*28,000円。片足用の場合、25,000円)
弾性スリーブ (上限16,000円)
弾性グローブ (上限15,000円)
弾性包帯  (上限手7,000円、足14,000円)
注) 30,000円のものを購入すると28,000円のものを購入したとみなし、保険者(健保組合や市区町村等)に後日申請すると28,000円の70%である19,600円返ってきます。20,000円のものを購入すると14,000円(20,000円×70%)返ってきます
次にリンパドレナージの費用についてですが、公的保険が使えませんのですべて自由診療となります。医療機関により治療費が異なりますし、患者さんの状態により治療内容が変わるはずです。受診する前に、患者さん自身にとって必要な治療の頻度と1回あたりの予想費用を必ずご確認ください。治療は長期にわたり行うことになりますので、1回あたりの治療費を聴くだけでは不十分です。治療開始1週間後、2週間後、1ヵ月後、さらに最初の半年間でどの程度の費用が必要になるか見通せる情報を入手したうえで、治療を開始することをお勧めします。
リンパドレナージの治療はリンパ浮腫の状態により異なりますが、浮腫が進んだ方の場合、当初の1−2ヶ月は週に1回か、2週に1回程度の集中的な治療を行い、その後3ヶ月に1回程度通院するパターンが多いようです。通院のたびに医療機関で診察のうえ浮腫の状態を確認、その後でセラピストによるリンパドレナージの治療を受けるという流れになります。
前者は1回あたり数千円の自己負担です。セラピストによる治療は、浮腫の状態のほか、手・足の部位により治療時間が異なり、治療費も異なります。1回あたり60分から90分程度の治療時間で、治療10分につき1000円が治療費の標準です。1回あたり6,000円〜9,000円程度が治療費(自己負担額)の目安となります。
リンパドレナージの治療開始後は数ヶ月に一度の治療頻度となりますが、その間何も治療をしなくてよいという意味ではなく、セラピストからセルフマッサージのトレーニングを受け 、次の通院まで日々それを自分自身で行うことになります。患者さんの状態により医師から推奨される運動がある場合にはそれも自分で継続します。数ヶ月に1度医療機関を訪問する際に、弾性材料を使った圧迫療法、セルフマッサージ、それに運動の効果を確認します。効果がきちんとあがっていればその方法を継続、効果が不十分であれば医療機関と相談し治療方法を修正するというサイクルを繰り返します。

最後に、顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術については公的保険が使えます。治療費総額は、概算で65万円程度(差額ベッド代や食事料等除く)です。
トップ注目される治療方法治療効果の見方部位別がんの治療費抗がん剤の治療費緩和医療(緩和ケア)の治療費治療費の自己負担額治療の相談と決定
リンパ浮腫の予防と治療このサイトの使い方お役立ちリンク集運営者についてサイトマップ
2008 株式会社 医業経営研究所 All Rights Reserved.
このサイトの検索に伴い表示される計算結果、および抗がん剤の治療費部分については無断掲載を禁止します。
また免責事項については、このサイトの使い方をご覧ください。